R01(2019)/09/06 その後の秩父鉱業専用線【いてつオールカマー】


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R01(2019)/09/06 その後の秩父鉱業専用線

東武東上線・高坂駅から分岐していた、秩父鉱業専用線(日本セメント東松山専用線)。
廃止されて久しく、その後も関越自動車道をまたぐ橋が有名でしたが、平成25(2013)年に撤去されて以降、疎遠になっていました。

葛袋3号橋。平成25(2013)年5月
↑平成25(2013)年5月、撤去直前の「葛袋3号橋」。
そんななか、東武鉄道の広報誌「マンスリーとーぶ」に紹介記事を見つけたのです。

マンスリーとーぶ2019年5月号 「まなびのみち」として整備されている記事
廃線が「まなびのみち」として整備されているとのこと。
藪をかきわけながら廃線跡を進んだ昔を思い出しながら、現地を訪ねました。

「まなびのみち」コースマップ
高坂駅西口に立つ「まなびのみち」のコースマップ。
廃線跡が整備されている様子が伺えます。

コースは高坂駅を起点に「廃線敷(地図上の青色)」、「化石と自然の自然の体験館(水色)」「廃線敷(緑色)」「市民の森(オレンジ)」「こども動物自然公園(赤色)」…と名前がつけられています。

東上線との分岐部分
高坂駅から「廃線敷」を進み、東武東上線との分岐部分。
自転車もとおれる舗装路として整備されています。

踏切のゼブラ模様の柵が残る
廃線敷」終端付近に残る、踏切の柵。
かなり色あせてしまっていますが、ゼブラ模様も残っています。

葛袋3号橋跡
葛袋3号橋の跡に立ち寄りました。
橋脚のみが寂しく残っています。

葛袋3号橋跡
立ち寄ったところで本線に戻り、「化石と自然の自然の体験館」へ入ります。
しばし車道を歩いた後に、案内看板に沿って山道へ。

一気に山道へ
かなりの坂道、夏で虫も多く、軽装で訪ねたことを後悔しました。
高坂駅からの舗装路に油断していたなぁと、黙々と山道を歩きます。

アップダウンの山道
アップダウンが続きます。
これ、本当に廃線敷なの…?

断崖絶壁
この断崖絶壁、廃線敷とは思えない…。
葛袋3号橋で、高坂駅に戻った方が良かったかなぁ…と考えていました。

草刈りの横を失礼して
草刈りしてくださっている方に挨拶して、階段を下ります…。

が、これはもはや廃線敷ではないでしょう。
埋められちゃったのかなぁ、自然に還ってしまったのか?などと考えていた、

そのとき。


廃線敷復活

廃 線 敷」復 活 !

思わず「おおーっ!」と声が出ました。
山道は、廃線を高巻きしたルートだったのですね。
ルートの地図にも、ここから「廃線敷」が始まると書かれていたことを思い出します。

ここも有名なポイントです
久々の「再会」に胸を躍らせながら、進んでいきます。

碍子
碍子も残っていて、ここに電気機関車がひく貨物列車が走っていたと教えてくれます。

振り返って一枚
振り返って眺めてみます。
この先が高坂駅方向ですが、近隣に「葛袋産業団地」が整備されたことから推測すると、一度埋めたうえで整地したのだろうと推測します。

インスタ映え?
こう、「天空の城ラピュタ」のような、SNSで映えそうなイメージで…(?)。

境界標
境界標が残っていました。

静かな廃線敷
廃線敷」、静かな散策路というイメージで、先ほどとは異なり、落ち着いて歩くことができます。

再び踏切跡
再び踏切の跡。
周りを木々に守られているようで、高坂駅寄りのものよりゼブラ模様が残っていました。

静寂
静かで、風に木々がそよぐ音のみが響きます。

土留めが線路
土留めでしょうか。
レールが立てられていました。

ゆったりとしたカーブ 穏やかな景色
穏やかな築堤が続きます。
眼下には景色が広がり、当時の機関士さんや車掌さんも、この景色を見ていたのだろうと思いを馳せました。

どこの紋章かわからず…
社紋のつく境界標。
どこのものか分からず、調べてみると太平洋セメントの前身・浅野セメントのもののようです。

橋
橋も残されています。
こちらは比較的落ち着いた印象のものですが…。

現役さながら
こちらの橋、現役時代のものをそのまま活用していると思われます。
「桁下高さ3.0メートル」の文字は、橋の下に往来があることを物語っています。

電力関連と思われる施設
橋の下、道の先には電力関連の施設(?)があるようで、そのアクセスのために使われているようです。

廃線敷終点
市道と交差し、「廃線敷」の終点です。
現役時代には、ここにも踏切があったことでしょう。

ゴルフ場の敷地
廃線敷はゴルフ場の敷地へと消えていきます。
すでに当時の面影はありません。

標識
山道を経ることが苦手な方は、「化石と自然の自然の体験館」を県道沿いに迂回し(現地では「補助ルート」と呼ばれています)、ここから「廃線敷」へ進むのも一案です。

急坂を登る
廃線の紹介はここまでですが、引き続き「まなびのみち」を進むことにします。
ここからは「市民の森」エリア。
舗装路ながら急な坂を登ります。

高本山峠 小さな看板が一つ
息をあえぎながら登ると、道路標識の柱に「高本山峠」の看板が…。
景色も開けず実感がわかないのですが、道が下りに転じるので、ありがたい看板です。

下りに転じる道
下り坂になり、気分よく進みます。

車線復活!
道路の車線が復活し、山を下ってきた実感がわいてきます(笑)。

車線終了
のどかな風景のなかを歩いていきます。
市民の森」ルートは写真手前を右折ですが、ショートカットしてそのまま直進しました。

引き続きのどかな風景を歩くと…、


門前町 突然現れる街並み

突然の街並み!

岩殿観音の門前町が現れます。
現代では住宅が中心ですが、ここにどんなお店があったかを示す案内板もあり、往時の賑わいがわかります。
突然の街の出現、どれだけ信仰を集めたかが伝わってきます。

心臓破りの階段 岩殿観音に参拝
心臓破りの階段(?)を登り、参拝。
休憩スペースもあり、一息いれることができました。
きれいに清められた境内は、現代でも大切に支えられていることが伝わってきます。

近道を抜けると
岩殿観音の境内を抜けると、「こども動物自然公園」エリアにショートカットできます。
あとは高坂駅まで歩くのみです。

母校横
我が母校・大東文化大学の横を通り抜け(どうでもいい)。

最後はバスのお世話に
高坂駅まで歩く…つもりが、並走するバスの誘惑に、つい甘えてしまいました。



【関連リンク】(順不同)
まなびのみち(東松山市ホームページ)
太平洋セメントの廃線敷、緑の遊歩道&鉄道遺産に(産経ニュース)
秩父鉱業専用線(廃探倶楽部)
廃線探索 日本セメント東松山線(歩鉄の達人)
グーグル検索「浅野セメント 社章」

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