間質性肺炎体験記(2023年8月・1〜2か月目)


表紙>間質性肺炎体験記

間質性肺炎体験記(2023年8月)

■2023年8月1日(火・19日/1か月目(43歳))

のどの痛みによると思われる不調が続き、仕事を休みました。
しかしチームのメンバーから、ひっきりなしに連絡が来るのには…、正直参りました。
ストレスを減らした生活には、ほど遠いです。

情報は細かく共有しているつもりでしたが、内容の意図まで踏み込まないと、「そこ?」という質問が飛んできてしまう。
それくらい考えろ!と叫びたくなりますが、全てはリーダーである僕の身から出た錆です。

世にはがんのステージ4という状況ながら、フルタイムで働いている方もいらっしゃるといいます。
これはこれで、甘えているんじゃないよということかもしれません。

昨夜、妻と飲酒について話し合い。
飲んでほしくないという意見はもっともですが、やはりたまには飲みたい。
適量なら影響ないといいますし。

価値観の違いなので、平行線です。
そんななか、「1年に1度だけ飲めばいいんじゃない?」といわれ、思わず、それじゃああと何回かしか飲めないじゃん…といってしまい、しまった!と思いました。

妻の気持ちを汲み取れず…。
幸い、今朝には仲直りしました。

お酒を飲まないと気が済まないわけではないのです。
現に、7月13日以降飲んでいませんし。

飲むという選択肢がなくなるのが、怖いのです。
病気の影響で、あれもこれも選べなくなり、そのまま果てていきそうなことが怖いのです。


■2023年8月2日(水・20日/1か月目)

体調が戻りつつあり、家の掃除をしました。
できることがあるのは、嬉しいです。
といいつつ面倒臭くて、始めるまで2時間ほどグダグダしてしまいましたが…。

明日が検査と診察だからか、明後日は出勤だからか、やる気が起きずボーッと過ごしてしまいました。
理由は後者ですかね(苦笑)。

夕方、久々に公園まで散歩。
休み休みゆっくりと、たった数日でも体力の衰えを痛感します。
しかしやはり、外の空気は好いものです。




2023年8月3日(木・21日/1か月目)

間質性肺炎の可能性があると指摘されてから、約3週間。
一気に人生が変わったかのような、激しい時間でした。
早く現状を知りたい、でも知るのも怖い…と不安に揺れるなかでの、今日の診察。

前回と比べて進行はなく、急性のものではなさそう。
肺の上のほうに異常が見られる「上葉優位型肺線維症」の疑いがあるとのことです。

原因を血液検査で探ると、膠原病と前立腺はどちらも陰性。
鳥とカビが陽性でしたが、先生によると可能性は高くないとのこと。
原因不明を指す特発性となるかも…とのことでした。

他の方のブログに出てくる「KL-6」(肺がんや間質性肺炎を発症すると上がる数値…で合っていますか?)は、標準の範囲の257.8でした。

今後は3か月ごとに、レントゲンを撮りながら様子を見ようという話になりました。
とりあえず一息つけそうです。
しかし、これから3か月の暮らしぶりを試されているようなもので、落ち着かないところではあります。

これがずっと続くと思うと…、本当、一病息災の言葉のとおりです。



健康祈願に延命長寿、お願いしますね、マジで!


■2023年8月5日(土・23日/1か月目)

診察の内容を、職場の上司に簡単に報告。
まだ「疑い」ですし、気にしないでください…といいつつ、内心少しは気にしてほしい(苦笑)。

このまま進行せず「疑い」で終わってしまえばいいのですが。
爆弾を抱えているようなもので、まさに一病息災の言葉どおりなのかもしれません。

帰宅後の妻との会話で、家から駅へ向かうときは、表通りではなく裏通りを使うことにしました。
表通りは鳩が多く飛んでいるのと、糞が目立つのです。

もしかしたら糞に含まれるという、トリコスポロンという成分が影響しているかもしれない。
先日の検査で鳥の成分は陽性ながら、原因の可能性は低いといわれていますが…。

しかし、やらないよりはやってみようということで、今後はダウンジャケットなどの処分なども進める予定です。
今は人工羽毛なんてあるのですね…。


■2023年8月6日(日・24日/1か月目)

常に頭から、病気のことが離れません。
しかし周りに気を遣わせたくもなく、考えていない振りをしてしまいます。

本当は不安で不安で不安で不安で、どうしても不安で、気を遣わせたくなくて、でも本当は気を遣ってほしくて。

考えすぎも良くないと分かっているのですが…。


■2023年8月8日(火・26日/1か月目)

出勤前に、つい妻に不安を口にしてしまいました。
「そうだね」といってくれましたが、またやってしまったと思いました。

その後LINEで届いた、「一緒にいるから安心してね」の一言には、救われました。
一緒に考えてくれる人がいる幸せ、妻だけは大切にしないと。

先日パルスオキシメーターを買ったのですが…、気になって、秋葉原のヨドバシカメラで測ってしまいました。
98〜97でした。




■2023年8月10日(木・28日/1か月目)

一昨日の夜、トイレで白っぽいモノが出ました(汚い話ですが…)。
調べると、これまた臓器の異常が疑われるとのこと。
またかよ…と、ガックリ来ます。

幸い翌日にはふつうに戻り、続いています。
今までは気にしなかったことに、すっかり一喜一憂するようになりました。



終業後、まっすぐ帰るようになりました。
が、その繰り返しがキツくなり、ちょっと回り道をしつつ乗り鉄。
たまには身体に良くないこと(?)もしたいのです。


■2023年8月14日(月・32日/2か月目)

間質性肺炎の疑いを指摘されてから、2か月目に入りました。
体調は変わらず、むしろ咳もほとんど出なくなり良くなった気さえします。
よく眠くなるのは、年齢でしょうか。

長い1か月でした。
妻はもちろん、周りの方に心配もかけて。

耐えられないほどの不安と孤独に苛まれ、言葉にせずにはいられませんでした。
引き続き、参考にしてもらえればという大義名分のもと、勝手な言い分をぶちまけていこうと思います。


■2023年8月16日(水・34日/2か月目)

間質性肺炎にかかわるブログを読むと、僕と近い年齢で亡くなったという話がありました。
胸が痛みますし、初めはほとんど症状がなかったという部分に、症例は数多あると理解しつつも僕を重ねてしまいます。

まだまだ生きたいという感情が、あふれ出てきます。
同時に、一応落ち着いて生活できているものの、やはりうず巻く気持ちがあるな…と、客観的な自分にも気づくのです。



パルスオキシメーターの数値に、気持ちを落ち着かせます。
3000円〜3万円くらいまでありますが、1万円くらいが良いと先生がおっしゃっていたので…実は妻が事前にリサーチしてくれていて…、この価格帯で購入しました。


■2023年8月17日(木・35日/2か月目)

間質性肺炎で、同世代の方が亡くなったという話を目にしました。
胸が抉られる思いです。

症状がないところから始まり、鳥の羽を使ったものの処分などを進めますが、薬の処方、さらに進行して肺移植を行うも、その2年後に亡くなったとのことです。
期間を計算すると、約10年弱だと思います。

今の僕に重ね合わせずにはいられません。
症例は数多く、諸々のデータは参考にならないと分かっています。
分かっていますが…、僕もこんな展開になるのかなと、考えてしまいます。


■2023年8月18日(金・36日/2か月目)

先日の夜、妻に何気なく翌日の予定を聞いて、誕生日だったことに気づきました。
あ、あぶねー!

自分のことにかかりきりになっているときは、周りのことも意識しないといけませんね…。
幸い、穏やかな1日を過ごすことができました。

最近、お酒を飲みたい衝動が出てきました。
11月の次の診察までは我慢するつもりですが、それ以降どうするかで、やはり妻と話が合いません。

経過観察が順調に行けば、間隔が3か月、半年、1年と広がるとのことですが、1年間隔になるまでダメだといいます。
つまり、来年の5月までダメってこと?

少しくらい飲んでもいいんじゃないかなぁ…?と、アル中の発想かなぁ。
長く元気にいてほしいということと、分かってはいるのですが…。


■2023年8月21日(月・39日/2か月目)

身近に間質性肺炎を患っている方がいらっしゃいました。
全く気づかず、今回偶然知ったのですが、僕の普段の周りへの無関心さを痛感します。
自分が当事者になってから、慌てて周りを見始めるのですから。

励ましをいただき、気持ちが少し楽になりました。
ひとりじゃなかった!という驚きは、何と表現すべきか…、とにかく驚きで他の感情が霞みます。

ストレスの連続な仕事。
深呼吸して、肺を含めた心身を落ち着かせています…多分。


■2023年8月23日(水・41日/2か月目)

最近、頻繁にお腹がくだります。
もともと緊張しやすい性格で、よくくだしていましたが、さらに強くなり、1日に3?4回はトイレにこもるようになりました。

間質性肺炎とは関係なさそうですが、冷房のかけ過ぎか、あとは気持ちの問題かなぁ。
常に頭のどこかで、考えていますから…。

こんなことばかりの毎日です。


■2023年8月29日(火・47日/2か月目)

寿命が来たときはそれまでのこと。
ジタバタするなという意見を目にしました。

そのような思考をお持ちのことに、敬意を表します。
今の僕にはとても真似ができないし、人生について明確な指針があると思われ、未熟な僕にはとてもまぶしく映ります。

僕が未熟な点は置いておいて、そういう考えに達しないのは、子どもがいないからかな。
子どもや孫が産まれたとき、命の順番を悟ったという話を読んだことがあります。

あるいは、結婚しているからか。
妻には前々から、僕より長生きしてねと伝えていますが、やはり悲しませないためにも長生きしたいです。

上記のように、僕が未熟なことが第一ですが…、こんなことを考えました。


2023年7月へ 2023年9月へ
【関連リンク】(順不同)
四五五神社(えちごトキめき鉄道)

表紙>間質性肺炎体験記


Copyright(c)2018- Itetsu all comer